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がいこつとうのだいぼうけん
骸骨島の大冒険
山本 周五郎
「少年少女譚海」1930(昭和5)年10月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,922 字 · 35 页
それは煉瓦建のがらんとした部屋で、鼻を摘まれても分らぬくらい暗かった。出口はないかと、手探りに探していると、どこからともなく人声が洩れてくるから……声のする方へ忍びよって耳を澄ました。
「じゃあ骸骨島へ引上げるんでやすね?」
と云う低い声がした。壮太はぴったり壁に耳をつけて聞くと、
「そうだ、C・C・D潜水艦もぶん取ったし、春田龍介という小僧も生捕ったから、いよいよ骸骨島へ引上げて、潜水艦は外国の海軍に売渡し、龍介の小僧はヤンセンの仇を討つために、島の底へ生埋めにしてやるんだ!」
聞いている壮太は、驚きのあまり思わず叫声をあげようとした。
奴等の話では、博士の発明した潜水艦はぶん捕られたようだし、龍介さえ捕えられてしまったらしい――。
「えへへへ、そいつぁ面白いでしょうね。ところで骸骨島って云うなあ、全体どこにある島ですね!」
骸骨島! 悪漢共がC・C・D潜水艦を盗み、龍介を生埋めにしようという骸骨島とはどこに在るか? 壮太は片唾をのんで耳を澄ませた。
「うん、その骸骨島と云うのはな、それ、この地図のここに赤い線がひいてあるだろう、ここにあるんだ!」
「へえ――ですが此処にゃなにも書いてありませんぜ」