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がいこつとうのだいぼうけん

骸骨島の大冒険

山本 周五郎

「少年少女譚海」1930(昭和5)年10月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,922 字 · 35 页

青空文庫

そこで静かに扉を明けて、暗い廊下へ出た。しめっぽい冷めたい風が吹いて来るから、たぶんそっちに出口があるんだろうと、文子は足音を忍ばせて、風が吹いて来る方へ急いだ。

約三十間も来たかと思うころ、文子はどこか近くで人の話声のするのを聞きつけた。立どまって耳をすますと、すぐ左にある部屋の中である。そっと身を寄せると、中の話声は、手にとるように聞えて来た。

「龍介の小僧は海狼に巻込まれたから、もう多分今時分は魚の餌食だろうぜ」

「しかし小僧の代わりに妹娘をかっさらって来たから、あの小娘を此骸骨島へ生埋めにしてやろうじゃねえか」

「うんそれが宜い。なんしろ、午後二時十分になれば、島の底にある三百貫の火薬が爆発する事になっているんだ。そうすればこの骸骨島も娘もあの春田博士も粉微塵よ」

「で、おいらはメトラス博士にC・C・D潜水艦を売って日本をずらかるんだ。ああ愉快だなあ、あはっはははは」

聞いていた文子は、思わずぶるぶると身顫いした。

「さては悪漢の巣窟、骸骨島に誘拐されて来たのだ。そしてメトラス博士というのは、実はC・C・D潜水艦の秘密をぬすみにきた、外国の軍事探偵だったのだ」