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がいこつかん
骸骨館
海野 十三
「こども朝日」朝日新聞社、1946(昭和21)年10月1日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,107 字 · 15 页
胆だめし当番の順序がきまった。
第一番は正太君であった。
がらんがらんがらん。これが三度鳴った。骸骨館の用意はできあがったという知らせであった。
「よし、では僕が一番に探検してくるぞ」
「することを忘れちゃだめだよ。中へ入ったら鉦を叩いて、ううっと呻って、それから縄をひっぱってさ、それから壁に名前をかいてくるんだ。さあ、この白墨を持っていきな」
「ああ、わかったよ。では諸君、さよなら」
「なにか遺言はない?」
「遺言?」
「だって正大君。君は骸骨を見たとたんにびっくりして死んじまうかもしれないからね。何か遺言していったらどうだ」
「ばかをいってら。誰がそんなことで死ぬもんか。僕の方が骸骨を俘虜にしてお土産に持って来てやるよ」
勇ましいことばを残して正太君はへいの破れ目を越えて構内へ入った。南瓜畑の中を腰のあたりまでかくしてかさかさと音をさせながら前進して行く。廃屋の一つを越え、さらにもう一つの廃屋を通りすぎる。だんだんさびしさが増し、神経がいやにとんがる。もう一つの廃工場のわきをぬける。いよいよ骸骨館が目の前にあった。うすい月光をあびて、アルコール漬けの臓器のように灰色だ。