轻松读懂日语经典作品
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さぎむすめ
鷺娘
大倉 燁子
「宝石 一巻四号」1946(昭和21)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,370 字 · 21 页
「すみません。家元さん」
百合子は低い声で謝罪ながら、境の唐紙の方をちょっと見た、唐紙の後ろには弟子達が寄り添って聴き耳を立てていることだろう。
百合子はもう一度丁寧に頭を下げて佗びてみたが、家元はその位の事では納まらなかった。
「あんたにさ、まゆみちゃんみたいに上手に踊れって云ったら、これや私の注文が無理というもんでしょう。だけど人並みのこと位は出来そうなものね。無理に名をとった手前に対しても――、意地にもですよ」
「よく分っています。家元さん」
「分っているなら何故もっと勉強しないんです?」
「勉強していますわ、それでも――、どうしても――」
「出来ないっていうの? こんなに教えてやって出来ない人が、芸で立とうなんて余り虫が好すぎるよ、あんたはお金持ちのお嬢様だもの、出来もしない芸で苦労するより、お嫁に行ったらいいじゃありませんか。まゆみちゃんのような人なら芸を捨てて勿体ないと思うけれど、あんた位なら別に惜しいこともないからね」
稽古所の格子戸がからりと開いて、娘達が笑声を先に立てて賑やかに入って来たが、忽ち穏かでない空気を見て取って、すうっと次の間へ逃げてしまった。