轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たそがれのこくはく

黄昏の告白

浜尾 四郎

「新青年」博文館、1929(昭和4)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,453 字 · 41 页

青空文庫

目をさました蓉子は驚いて、

『あなた、どうしたのです。』ときく。僕は仆れた賊をさしながら、

『泥棒がはいったんだ。やっつけたよ。』と答えた。すると蓉子は床の中からはい出して、賊の傍にするすると寄ってその血の出ている有様をながめたり、額に手をあてたりしていたが突然、

『あなた、殺しちゃったのね。……泥棒を。』

『そうさ、かまわないさ。』

『たいへんよ、いくら泥棒だって殺しちゃわるいわ。』

この答えは、否非難は、なんという不愉快なものだったろう! もし僕が殺さなければ、そういう貴様が今ごろ何されているか判らないじゃないか! 僕はかっとなった。蓉子の顔をにらみつけた。この瞬間、賊の死体と蓉子の顔を見くらべているうちに、僕はたちまち非常に有効に利用さるべき機会がきていることに気がついた。

よし! 今だ!

いきなり僕は蓉子にとびかかった。そうして驚いて何もする術さえないうち、両腕に全身の力をこめて蓉子の首をしめつけた。

蓉子は叫ぼうとした。しかし声がつまっていた。けれど蓉子は自分がどうされようとしているかをはっきり知ったらしい。おお、あの時の断末魔の顔! 僕をにらんだあの眼! 呪いをあびせようとしたあの唇※(感嘆符二つ、1-8-75) 僕の頭から消え去らぬのはそれなのだ。