轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女
野村 胡堂
「オール読物」1933(昭和8)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,350 字 · 22 页
「後藤の小倅が、毎日明神様へ参詣して、呑み度くもない茶を呑むことを、矢部の殿様は悉く御存じだが、昔、少しばかり恩をきせてあるだけに、仁兵衛やお駒には頼まれないと仰しゃる」
「…………」
「俺には、矢部の殿様のお心持はよく解って居る、――吹屋町の三戸前の蔵は、女の腕で無きゃア開けようがねえ」
「…………」
「お駒さん、余計な事は言わない、此境内からたった一ト足出て、此節の江戸の街を見てくれ、両に二斗の米(米価は此時百文に二合八勺まで騰りました)が食えるものか食えねえものか」
「――――」
権次は暗然と声を呑みました。
「田舎では蕨の根も田螺も、藁も杉の皮も食うと言うが、江戸の者は一体何を食やあ宜んだ――昨日も昌平橋の側で三人、今日はお茶の水で二人、此界隈だけでも、何十人何百人行倒れになるか、わからねえ世の中だ。所々にお救い小屋はあるにしたところで、江戸中の困る者の口の数に比べりゃア、焼石に水だ、近いところ筋違橋外と和泉橋の御救小屋へ流れ込む人の数を見ねえ、一杯ずつ粥を施すんだって容易のことじゃねえ」
「…………」
「こんな事を言っちゃ何んだが、お上の御金蔵は空っぽ、買穀をし度いにも金がねえ、御払米が一万石出たが、それもお湿りにもならないじゃないか、町方はせめて十万両も米を買上げて、半値に売り度いと言うそうだが、駿河守様は