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くろてぐみ
黒手組
江戸川 乱歩
「新青年」博文館、1925(大正14)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,978 字 · 36 页
私も犯罪とか探偵とかいうことには人並以上の興味があり、「D坂の殺人事件」でも御承知の様に、時には自ら素人探偵を気取る程の稚気も持合せているのですから、出来ることなら一つ本職の探偵の向うを張ってやろうと、様々に頭を絞って見ましたものの、これは迚も駄目です。てんで手懸りというものがないのですからね。警察へは勿論伯父から届け出てありましたけれど、果して警察の手でこれが解決出来ましょうか。少くとも今日までの成績で見ると、まず覚束ないものです。
そこで、当然私は友達の明智小五郎のことを想出しました。彼なればこの事件にも何とか眼鼻をつけて呉れるかも知れません。そう考えますと、私は早速それを伯父に相談して見ました。伯父は一人でも余計に相談相手の欲しい際ではあり、それに私が日頃明智の探偵的手腕についてよく話をしていたものですから、尤も伯父としては大して彼の才能を信用してはいなかった様ですけれど、兎も角呼んで来て呉れということになりました。
私は御承知の煙草屋へ車を飛ばせました。そして、色々の書物を山と積上げた例の二階の四畳半で明智に逢いました。都合のよかったことには、彼は数日来「黒手組」