輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《いさましい話(いさましいはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,835 字 · 73 頁
松尾を娶って以来、まわりに遠慮する意味もあって、私的には殆んど往来していないが、いまその席に図書助を見ることは嬉しかった。
益山税所に代って和泉図書助がそこにいることは、明らかに事態が変ったことを示すものだ。玄一郎は緊張していた全身の凝が、こころよく解けてゆくような思いで座についた。
「――お声代りである」
図書助が云った。藩主に代るということで、玄一郎は両手をついた。
「そのほう勘定奉行の職にありながら、責任重き役印をなおざりに致し候こと怠慢に候、よって七日間、居宅において謹慎致すべく、右、申付候――」
声代りと云ったが藩主の名ではなく、城代家老ほかに重臣たちの副署だけである。これにも不服を云えば、云えた。正式に江戸へ裁決を乞えば、せいぜいのところ「軽く叱りおく」程度のことだろう。謹慎七日は重すぎる。だが玄一郎はこれも黙ってお受けをした。
――この申し渡しにはなにかふりあいがあるに違いない。
こう考えたので、黒書院をさがるといちど役所へ寄り、支配と事務のうちあわせをして、すぐに下城した。
帰ることは知っていたとみえて、松尾はそれほど驚かなかったが、玄一郎のほうで、妻があまり憔忰しているのにびっくりした。