輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《いしが奢る(いしがおごる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,304 字 · 45 頁
そして、二人がはいってゆくと、盃を持ったままにっと微笑した。千之助に会釈したらしい、が、その微笑を見たとたんに保馬はどきっとした。
――外島……おいし。
二つの名がつながった。
「おいし」と保馬が云った、「おまえ知っていたんだな」
いしの唇の間から歯が見えた。
「今日四時になにがあるかを知っていて、それでおれを呼びだしたんだな、そうなのか」
「――あの人は、あの……」
いしの舌がもつれた。そして唇の端から涎が垂れ、両方の眼の眸子がつりあがった。保馬は声をあげて、走り寄って、倒れかかるいしの躯を支えた。
「おいし、どうしたんだ」
そのまに千之助が、いしの手から盃を取り、その匂いを嗅いだ。それから脇にある銚子の匂いも、――そして低く叫び声をあげた。
「いけません、毒酒のようです」
保馬は色を変えた。いしは跼んだ。
「このまま、お願いですから」
舌がもつれるので殆んど言葉にならない、保馬はいしの躯を抱きあげ、「水を頼む」と云いながら縁側へ出た。千之助は走っていった。保馬はいしを俯向きにし、みぞおちへ自分の膝頭を当てておいて、背中を叩きながらどなった。
「吐くんだ、吐いてしまえ」