輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
栄二は気が挫けてきた。万吉の話によれば、こぶは手のつけられない乱暴者であり、松造とおとよの仲をやっかんで、二人が逢うのを覗きに来て邪魔をするという。それが事実なら、おれをここから追い払おうとするだろう。けれども彼は動かないし、その口ぶりも乱暴ではなく、むしろ当惑しているような調子だった。
おかしなぐあいだなと思い、栄二が男に話しかけようとしたとき、小走りに来る足音が近づき、清さんどこ、と云う女の声が聞えた。男は振り向いてここだと答え、闇をすかして栄二を見あげた。いそぎ足に来た女は、そこに栄二のいるのを見て立停り、息をきらしながら、この人だあれ、と男にきいた。
「もっこ部屋の者だそうだ」と男が答えた、「海を見に来たんだとよ」
「へんなことをきくようだが」と栄二は腕組みをした手をほどきながら男に云った、「――悪かったら堪忍してくれ、おまえさんは油絞りで、こぶっていう仇名で呼ばれる人か」
「そうならどうした」
「そして」栄二は女のほうへ手を振った、「こっちはおとよという人か」
男は立ちあがった。腰をおろしているときはわからなかったが、立ちあがったのを見ると、万吉の話よりはるかに大きく、背丈は六尺ゆたかであり、肩は雄牛のように厚く、肉が盛り上っていた。