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さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
六の一
寄場へ送られるようなことになったわけです、ええ」
ひどい女がいるもんだな、栄二は心の中でそう呟きながら、自分が番小屋へ曳いてゆかれたときのことを思いだし、怒りがこみあげてきて顔が歪んだ。
「ここへ来てから、いろいろなことがわかりました」と与平は溜息をついて云った、「女房には本当に私が厄病神のように思えたんでしょうし、子供たちにはまったくぐずなおやじだったんでしょう、人間は性分によって、ものの見かたも考えかたもそれぞれ違うもんです、私は自分を哀れだと思うばかりで、女房子の気持を考えてやらなかった、いまでは自分のほうが悪かったと思っていますよ、ええ」
栄二はじれったくなり、そんなことだから女房にまでなめられるんだと、どなりつけてやりたくなった。本当にどなろうとしたが、そのとき「始めろ」という小頭の声がし、栄二は心で思っているのとは反対に、与平に振り向いて低い声で云った、「あっしは栄二という者です」
「よろしくな」と与平が云った、「頼みますよ」
六の一
二月下旬の或る夜、もっこ部屋で次郎吉が騒ぎだした。自分の包みの中から金がなくなっている、というのである。部屋にはめいめいの仕切り戸納があり、自分の物は各自で持つことを許されていた。