輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁

青空文庫

十の四

おれは片意地で、ぶあいそうで、誰のために気をつかったこともなく、誰一人よせつけもしなかった。

おれは自分だけのことしか考えなかったのに、みんなはおれのために、日ごろは仲のよくない者までが力を合わせて、おれを助け出すためけんめいになってくれた。

――みんなの声は生涯、忘れないぞ、と栄二は声には出さずに叫んだ。まるで自分のきょうだいか子でもあるように、みんないっしょうけんめいだった。与平さんは泣いてくれたっけ、岡安さんもそうだ、これまでひねくれどおしだったこのおれは、さぞいまいましく憎ったらしいやつだったろう、だがやっぱりとんで来てくれた、――そうだ、それからさぶもだ。

十の四

どんなふうに治療がおこなわれたか、栄二はまるで知らなかった。なにがしとかいう外科医の調合した薬を使ったので、切開にも接合にもそれほど痛まなかったのだ、ということはあとで聞いたが、脛がすっかり麻痺していたことも慥かだったろう。――呼ばれて来た中島という外科医が手当てをするあいだ、栄二は夢と現実とがよくわからなかった。さぶやその他の知っている顔が、代る代る見えたり、二つも三つもの顔が重なったり、意味のよくわからない早口でどなる声が聞えたりした。