輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁

青空文庫

ぶしゅう負けるなよ、と云うこぶの清七の声もした。与平や万吉や金太の顔も見えた。知っている顔ばかりでなく、知らない者までが石のあいだから覗き、しっかりしろとか、死ぬんじゃねえぞとか、もうすぐ助けてやるぞとか、声をからして呼びかけるのであった。おれは大丈夫だ、けれども胸が潰れちまう、この石をどけてくれ、栄二は苦しさのあまり身もだえをした。

「栄さん」誰かが肩をゆすった、「栄さん、うなされてるんだよ、さあ、栄さん」

栄二は深い泥沼の底から浮きあがるような、もどかしい苦悶を感じながら眼をさました。部屋の中は日光で明るく、自分は夜具の中で仰向きに寝てい、すぐ眼の前に心配そうな与平の顔があった。

「眼がさめたかね、大丈夫かね」

「ああ」栄二は咳をして答えた、「起こしてくれて助かったよ、いやな夢をみていたんだ」

「手拭はここだよ」

「済まない」与平の取ってくれた手拭で、栄二は額の汗を拭き、両腋の下や胸を拭いた、「ぐっしょりだ」

「もう一枚出そうかね」

栄二は首を振り、手拭をたたんで枕の脇に置いた。時刻をきくと午後二時ごろだという。では半刻ちかくも眠ったわけで、与平は疲れたからだと云った。