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さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
栄二は冷やかにきき返した、「清七の出ていったのはいつだ」
「いいよ、しらを切るなら切ってるがいい、だがひとことだけ云っておこう」万吉はそこで声をひそめた、「あにい一人にやらせやしねえ、そのときはおれたちもやるぜ、名は云わねえがおれのほかに四人、みんな道具も用意してあるんだ」
「いけねえ」栄二はわれ知らず高い声をあげ、しかしすぐにその声をひそめた、「――そいつはいけねえ、あいつらは匕首を持ってるって、このまえにも云っといた筈だ、やつらは人をあやめるくらいなんとも思っちゃあいねえ、おめえたちが四人や五人でかかったって、とてもかなう相手じゃあねえんだ」
「そんならあにいはどうする気だ」
「この寄場には役人がいる」
「かな轡を噛まされてな」と万吉が云った、「どれほど袖の下をつかまされたか知らねえが、お役人衆はやつらに酒まで運んでるぜ」
栄二は頭を左右に振り、胸に溜った毒気でも吐き出すように、ほうと長く大きい息を吐いた。
「おれは考えてみる、このところずっと考えているんだ」と栄二はやがて云った、「もっこ部屋のことが役所へ知れていない筈はないし、全部の役人が買収されるなんてこともないだろう、役所でまだ手を出さないのは、そこになにかわけがあると思うんだ、きっとなにかわけがある、だから、頼むからむちゃなことはよしてくれ、おれたち