輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たましいはいきている
たましいは生きている
小川 未明
線上閱讀小川 未明《たましいは生きている(たましいはいきている)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,290 字 · 9 頁
わたしは、せめて、この真心の、兄に通ずるようにと、ハーモニカを吹いたのでした。
また、あらしの日にも、兄のしたごとく、浜辺へ出て、鳴らしました。しかし、兄のハーモニカが、ここにありながら、それを愛する兄の、いないということは、考えるとさびしいかぎりでした。
その翌年の夏には、公報こそ入らなかったけれど、兄の戦死は、ほぼ確実なものとなりました。
ある日、わたしは、波打ちぎわで、清ちゃんと遊んでいました。
「波は、生きているよ。」と、清ちゃんが、いったので、わたしは、
「生きているって、たましいがあるというの。」と、ききかえしました。
「うそと思うなら、石を投げてごらん。怒って、大きくなるから。」と、清ちゃんは、ふしぎなことをいうのです。
わたしは、石をひろって投げました。つづいて、清ちゃんが、なげました。ふたりのすることを、せせら笑って見ていた、白い波が、だんだん高く頭をもたげて、急にふたりの足もとをおそいました。
「ほら、おこった!」と、清ちゃんが、叫びました。
わたしは、むちゅうになって、石をひろっては、できるだけ沖へ近づいて投げると、もくら、もくらと、海はふくれ上がり、大波が、わたしの足をさらおうと、やってきたので、あわてて逃げました。