輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たましいはいきている
たましいは生きている
小川 未明
線上閱讀小川 未明《たましいは生きている(たましいはいきている)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,290 字 · 9 頁
昔の人は、月日を流れる水にたとえましたが、まことに、ひとときもとどまることなく、いずくへか去ってしまうものです。そして、その間に人々は、喜んだり、悲しんだりするが、しんけんなのは、そのときだけであって、やがて、そのことも忘れてしまいます。
この話も、後になれば、迷信としか、考えられなくなるときがあるでしょう。
* * * * *
わたしの兄は、音楽が好きで、自分でもハーモニカを吹きました。海辺へいっては砂の上へ腰をおろして、緑色のあわ立ちかえる海原をながめながら、心ゆくまで鳴らしたものでした。無心で吹くこともあったし、また、はてしない遠くをあこがれたこともあったでしょう。それは、夕日が花のごとく、美しくもえるときばかりでありません。灰色の雲が、ものすごく低く飛び、あらしの叫ぶ日もありました。
「正ちゃん、この海の合奏は、ベートーベンのオーケストラに、まさるともおとらないよ。人間が、いくらまねようたって、自然の音楽には、かなわないからね。」と、兄は、いいました。
戦争が、だんだん大きくなって、ついに、兄のところへも召集令がきました。