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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
線上閱讀牧野 信一《ゼーロン・淡雪 他十一篇(きなだむら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,321 字 · 54 頁
額が木魚のようなふくらみをもって張出し、耳は正面からでも指摘も能わぬほどピッタリと後頭部へ吸いつき、首の太さに比較して顔全体が小さく四角張って、どこでもがコンコンと堅い音を立てそうだった。また首の具合がいかにも亀の如くに、伸したり縮めたりする動作に適して長くぬらくらとして、喉の中央には深い横皺が幾筋も刻まれていた。え?え?え? と横顔を伸して来る時に、ふと真近に見ると眉毛も睫毛も生えていないようだった。
無論彼らが村人に狙われるのは、さまざまな所業の不誠実さからだったが、私は他のあらゆる人々の姿を思い浮べても、彼らほどその身振風体までが、担がれるのに適当なものを見出せなかった。彼らの所業の善悪は二の次にして、ただ漫然と彼らに接しただけで、最早充分な反感と憎しみを覚えさせられるのは、何も私ひとりに限ったはなしではないのだ、などと頷かれた。いつかの万豊のように、スッポンや法螺忠が担ぎ出されて、死物狂いで喚き立てる光景を眺めたら、どんなにおもしろいことだろう、親切ごかしや障子の穴の猿どもがぽんぽんと手玉にとられて宙に跳上るところを見たら、さぞかし胸のすくおもいがするだろう――私は、彼らの話題などには耳もかさず、ひたすらそんな馬鹿馬鹿しい空想に耽っているのみだった。