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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
線上閱讀牧野 信一《ゼーロン・淡雪 他十一篇(きなだむら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,321 字 · 54 頁
「御存知でしょうが、ひとりずつでなければいけませんよ。」
「六人も、で、大変じゃありませんか?」
「御遠慮なく――。乗り込む度にベルをおして下さいよ。」
ベルが鳴った。
「オーライ。――それっ!」
と七郎丸が合図すると、二人は、至極もの慣れた動作で、
「ヘッヴ・ハウ! 捲け捲け! ヘッヴ・ハウ・ハウ捲け捲け」と掛声勇ましく、吊籠を引きあげるのであった。
最初に箱から現れたのは、登山袋を背にして片手に醤油らしいものの瓶や葱の束などを携えているBだった。(B・R・Hなどの若者は僕の妻と弟の友達で其処の僕の村の住居で共和生活を続けている同人である。次々のR・H・妻、そして弟らも一様に重そうなリュック・サックを背にしていたことを先に述べて置こう。)
「今日は荷車を曳いて町へ行き、あなたの本を大方売却しましたよ。」
「そいつは酷い。あれらの書物は僕の生命についで――」
と僕は赤くなって詰問しようとすると、次のベルがなって、再び僕らはハンドルを執らせられる――と、Rが、蓮根や牛蒡を抱えて現れ、
「あなたの時計を質屋に預けて弾丸を買って来ました。当分肉類の心配はありません。」
と申し立てた。