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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁
一体俊成の出た御子左の家は御堂関白道長の子長家から出た。道長には倫子と高松殿と北政所が二人あるといわれたほどであったが、やはり嫡妻倫子腹の頼通の子孫から近衛・九条の二家が分れ、さらに五摂家に分れて今日に血を引いたが、高松殿腹の長家の筋は摂関大臣に登る家柄にはなれないで、普通には大中納言に止まる家柄であった。父俊忠も中納言になったが、俊成は参議に任ぜられるように願ってついに望みをはたさず、安元二年、六十三歳で出家して釈阿といった。現任の官職で参議に列すれば、ただの殿上人でなく公卿に連なるわけであるが俊成はそれに失敗した。勿論位階の方で三位以上になれば別に官職はなくても公卿に算えられるわけで、俊成も正三位皇太后宮大夫まで登ったのだから、最後には公卿に列したには違いないのだが、こういうのは非参議の三位といって、何かわびしい現世での成りそこねに見えるのである。既に道長の子孫で正二位大納言まで行ける家柄なのだから、俊成は決して現世の成功者とはいえなかった。
しかしこれは敢て俊成だけのことでない。鵺を退治た伝説で有名な源三位頼政、西行法師、大原の三寂といわれた寂超・寂然・寂念の三兄弟、『金葉集』