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ちゅうせいのぶんがくでんとう

中世の文学伝統

風巻 景次郎

線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁

青空文庫

当時の上流の生活根拠は全国にある荘園である。もちろん日本の人口は、奈良時代には一千万に足りなかったと学者は考えているが、この時代には二千万前後にはなってきていたであろう。だから全国の荒野はこの人的資源の増加に比例して次第に開墾され、田畑は常に増しつつはあったのであるが、それにしても、国民経済の根本になるその田畑(当時はまだ商工業といえるほどのものは興っていなかった)の、半ばは平家の領有に帰していたし、平家の滅亡後は源氏がそれを承けついだ。その上、公家の荘園の方にまで地頭という収税官を配置した。これは義経討伐のための臨時兵糧米徴収を名として急に設置したものらしいが、それはそのまま恒久の制度となってしまったもので、このようなことは平家の専権時代にも見られなかったことである。これは文治元年十一月のことで、『千載集』奏覧のしばらく前であるが、九条兼実はこれを知って、日記『玉葉』に言語の及ぶ所にあらずと記し、また日本国の有無ただ今明春にあるかといっている。兼実はその翌年摂政になるのだが、その兼実にしてこの嘆きを持ったのである。京都貴紳が去就にまよって綱の切れた舟のようになったとしても無理はない。