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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《中国の怪談(二)(かかこうしゅ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,926 字 · 225 頁
蓮香
桑生は泝州の生れであって、名は暁、字は子明、少い時に両親に死別れて紅花埠という所に下宿していた。この桑は生れつき静かなやわらぎのある生活を喜ぶ男で、東隣の家へ往って食事をする他は、自分の座にきちんと坐っていた。あの日、東隣にいる男が来て冗談に言った。
「君は独りいるが、鬼や狐はこわくないのかい」
桑は言った。
「男子が鬼や狐をこわがってどうする、もしくれば僕には剣があるさ、それも女なら門を開けて納れてやるがね」
隣の男は帰って往ったが、その夜友達と相談して妓を伴れて往って、垣に梯をかけて門の中に入れて扉をことことと叩かした。桑はちょっと窺いて、
「どなた」
と言って訊いた。妓は、
「私は迷って出てきたものでございます」
と言った。桑はひどく懼れて歯の根もあわずにわなわなと顫えた。妓もそれを見てあとしざりして帰って往った。隣の男は翌朝早く桑の斎へ往った。
「ゆうべはたいへんなことがあったよ」
と言って、この世の女でない女の来たことを話して、
「僕はもう帰ろうと思ってるのだ」
と言った。隣の男は手をうって言った。
「なぜ門を開けて納れなかったのかい、女なら納れるはずだったじゃないか」