輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《二十世紀鉄仮面(しつらくえんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 38,489 字 · 77 頁
出した。そして、眼を瞑じ珠数を爪繰って語り出したのは、仄暗い霧の彼方で暈と燃え上った、異様な鬼火だったのだ。
――三月晦日の夜、月が出て間のない八時頃の事だった。突然慈昶と朔郎が駈け込んで来て、玄白堂に妖しい奇蹟が現われたと云うのである。それが、天人像の頭上に月暈の様な浄い後光がさしたとの事なので、ともかく一応は調べる事になり、胎龍と空闥の二人が玄白堂に赴いた。所が、堂の内外には何等異常がない許りか、試みに頭上の節穴から光線を落してみても、髪毛の漆が光るに過ぎない。そして、とうとう不思議現象の儘残ってしまったのだが、その翌日から胎龍の様子がガラリと変って、懐疑と思念に耽るようになったと云うのである。
「然し、朔郎は何んとも云いませんでしたよ」聴き終ると法水は、鳥渡皮肉な質問をした。
「そうでしょう。あの大師外道めは、誰かの念入りな悪戯だと云いますでな。てんで念頭にはありますまい。然し、科学とやらでは、どうして解く事が出来ましょうか。いや、解けぬのが道理なのですじゃよ」
「すると、像の後光はその時だけでしたか」
「いや、その後にもう一度、五月十日にありました。