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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
線上閱讀井上 円了《井上円了・世界旅行記(おうべいかっこく せいきょうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 260,015 字 · 519 頁
途上一詠あり。
鉄車百里向西倫、野外風光未見春、遥憶故国三月末、東台山下賞花人。
(汽車で行くこと百里、西のロンドン(ダブリン)に向かう。野外の風景にはまだ春の気配も見えない。はるかに故国の三月の末を思い起こせば、上野寛永寺の山下に花を賞でる人がいるであろう。)
ダブリンはアイルランドのロンドンと自称す。ゆえに、余はこれを西倫と名づく。すなわち西部のロンドンの義なり。
英国は極冬の寒気、比較的わが国よりも軽きがごとく感ずれども、寒気の時期の永き点はわが国の比にあらず。三月下旬鶯花の節において、なお霜風凍雨を見る。快晴の日は、十日または二十日間に一回あるのみ。ことに天気の変わりやすく、たちまち曇り、風雨にわかに至るがごときは、寒中の梅雨を見る心地せり。英人の諺に「三月疾風、四月驟雨」と唱え、三、四月は最も風雨多き季節なり。余、アイルランド滞在中、市の内外を散歩するに、さらに喬木茂林あるを見ず。しかして家屋はみな石造なれば、毫も風力を感ぜず。よって余、一句をよみて、
木がなくて吹く甲斐なしと風がいふ
これ、アイルランドの実景なり。
ダブリン(Dublin)はアイルランド第一の都会なれば、博物館、図書館、動物園、植物園等、ロンドンに次ぎての壮観を極め、トリニティー大学(Trinity College)のごとき、ケンブリッジ大学