輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こんにちのぶんがくのてんぼう
今日の文学の展望
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《今日の文学の展望(こんにちのぶんがくのてんぼう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,109 字 · 83 頁
日本文学古典の伝統を強調すればするほど、その伝統を客観的に、史的に整理するに必要な条件に制約が加わるという事実は、学問として確立する以前に、早今日専門家達を分裂、対立させているばかりでなく、日本人一般が、実際には、日本文学古典についてまだ何もまとまって正当に見通された知識、概括を身につけ得ていないということを結果している。電気の本質について知っているより遙により尠く、祖先の生活と文学との発生の姿、推移の相を貫く諸原則を知らされているにすぎず、漠然と、寧ろ風土的に日本文学の味を知らされているのである。
「もののあはれ」ということは佐藤春夫氏の今日的文学の核をなしており、「まこと」「ますらをぶり」「さび」「なぐさみ」等の言葉は保田その他の諸氏の愛好する語彙である。だが、それらの用語は天から降る金の箭のように扱われ、古代・中世・近世日本の文学におけるそれらの基準の概括の背景と内容は説き明されない。かかる日本文学古典上の評価の規準の推移に関するまとまったものとしては寡聞にして僅に久松潜一氏の『日本文学評論史』二巻があるばかりである。
きのう、そして今日の日本の文化の一般的実質が健全に発育し豊富であるというには未だ未だ遠い現実であることは、克服すべき将来の問題の一つとして十分認識されなければなるまい。