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ぶっきょうじんせいとくほん

仏教人生読本

岡本 かの子

線上閱讀岡本 かの子《仏教人生読本(ぶっきょうじんせいとくほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,886 字 · 246 頁

青空文庫

これは至言であると思います。

よく誰でも「どうも考えがこんがらがってしようがない」とか、「気持ちが流れないで鬱屈する」とか言います。これを他の言葉に言い換えれば「生命が停滞して流露しない」ということになります。すなわち、心の流れによって人間の心理が一歩一歩おし進められて行き、呼吸と血液の脈動とによって肉体が新陳代謝を行い、両々相俟って自己の生存を遂げて行くところのこの大切な生命の流れは、その原動力なる心の流れと呼吸血流の遅速によって非常の影響を受けるのです。

人間の生命の流れを、水の流れに譬えるならば、あまり水の流れが急速に過ぎれば浮んだ船を覆えし、あまり水の流れが沈滞し過ぎては、船の運行を止めてしまうように、あまりものごとを軽く考える時は生命の流れが急速に流れ過ぎて生命をして危ながらせ、遂には誤まれる方向におし進めることになり、反対に重く考え過ぎれば生命の流れをよどませてその働きを減じさせてしまうことになります。

ちょっと考えて見ると、何も、軽く考えようが重く考えようが大したことはないと思われますが、事実は以上のような「差」が出ます。常に念々=心の検討を行い、即処に主となれ=その場、その場に正念の持ち主となって、疑念妄想を排除し、自由適確な心持ちで暮して行くことが大切だと思います。