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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
線上閱讀岡本 かの子《仏教人生読本(ぶっきょうじんせいとくほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,886 字 · 246 頁
第三五課 家庭
そこで妻は玄関を出ようとする夫に向って快活に話しかけました。「あなた、どこへいらっしても、結局女ってみんな私と同じよ。私より良くもなければ、悪くもないのよ。無駄をしないで、私と遊びに行きましょう」
そこで夫は苦笑しながら、「こうさばけられては仕方がない」と言って、朗らかに妻と一緒に遊びに出かけました。
何という安心しきった妻の言葉でしょう。母のような、友達のような、先生のような。そして時たま謀叛気を出しながら夫は、やはりこの妻を信じ、決して離れようなどとは夢にも思っていません。
うつし身のつひに果てなん極みまで
添ひゆくいのち正眼には見よ
第三五課 家庭
私は紅山茶花を見るといつも思うのです。家庭というものは、こうも静かで浄らかであり、可憐なあでのいろをも添えたい。静かで浄らかでも蓮の花ではあまりに淋しい。梅でも百合でも香があって常住をともにするには刺戟が強い。では香がなくまた淋し過ぎない花として桜はどうか、牡丹、しゃくやく、の花はどうか。それはあまりに華やか過ぎる。紅山茶花の「紅のいろ」こそ、静かな浄らかな山茶花に、しかも淋し過ぎない「いろ差し」