輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《剣難女難(けんなんじょなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 頁
大妻籠無極の太刀風
一
時には鳥獣を対手に技を試み、ある時は飛魚を狙って術の会得をあせる様子。何さま深い事情があるらしいが、心なき里の者は、ただ稀代な変り者もあるものだと嗤っていた。
ところが、つい近頃、変り者にまた一人の変り者がふえた。
それはこの木曾路を通りかかった江戸弁のいなせな旅人で、前からの知り合いか、妻籠峠で旅合羽を捨て、山稼ぎの馬子の群に入って、ひたすら行者の世話をして侍いている。
「あの変り者は兄弟かしら、それとも主従だろうか」
「いや、気狂い同士で気が合ったのだろう」
などと、里の噂にまた花が咲く。
が、行者は相変らず一心不乱、旅の者から馬子になった男も、日ごとに麓の立場へ来て稼ぎ、夜は五社明神の森へ帰って、行者に仕えること主の如くであった。
×
その日はちょうどジリジリ照りの土用太郎。
広瀬の宿から追分へつづく並木の蔭を、大股に辿って行く武芸者がある。丈は六尺に近く、涼やかな編笠に面を隠し、胸にそよぐ長髯は刀の鍔まで垂れていた。
と、すぐその後から、追い着くように急ぐ女二人の旅人。
「お、今、チラとこっちを見た姿容は、たしかにあの者でござります」