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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
線上閱讀南方 熊楠《十二支考(下)〔全2冊〕(じゅうにしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,906 字 · 495 頁
しからずば我に道を借せという。虎これを見て我常に牙を惜しんで雑小虫をすら食わず。いわんやこの臭猪に近付くべけんやと、すなわち猪に語って、我汝に道を借す、汝と闘わじという。猪過ぐるを得て虎を顧みて曰く、虎汝四足あり、我また四足あり、汝来って共に闘え、何を以て怖れて走ると。虎答えていわく、汝毛竪ちて森々たり、諸畜中下極たり、猪汝速やかに去るべし、糞臭堪ゆべからずと。猪自ら誇って曰く、摩竭と鴦の二国、我汝とともに闘うを聞かん、汝来って我と戦え、何を以て怖れて走る。虎答う、身を挙げて毛皆汚し、猪汝が臭我を薫ず、汝闘うて勝ちを求めんと欲せば、我今汝に勝ちを与えんと。これは、鳩摩羅迦葉尊者が無分別な者にかなわぬという譬喩に引いたのだが、とにかく虎も猪の汚臭には閉口すると見える。
ところが、ロメーンズは、豕の汚臭は本その好むところにあらず、ただこの物乾熱よりも湿泥を好み、炎天に皮膚の焼かるるを嫌うて泥に転がる。さればその汚く臭くなるは、豕自身よりは飼い主の過失だと論じある(『動物の智慧』五版、三四〇頁)。これは酒を好む者を咎めずに盃を勧めた人を譴めるような論で、ラクーンが食物を獲るごとに洗わずんば喫わず、猫が大便を必ず埋めるなどと異なり、豕が湿泥を好むはもっともとしても、本来汚臭を厭わず糞穢を食うというが、既にその大