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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
線上閱讀南方 熊楠《十二支考(下)〔全2冊〕(じゅうにしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,906 字 · 495 頁
多い神仏の内には豪気な奴もありて、『雍州府志』に京の勝仙院住僧玄秀の時、不動尊の像の左の膝を鼠が咬んだ、秀、戯れに明王諸魔降伏の徳あって今一鼠を伏する能わずといった、さて翌朝見れば鼠が一疋像の手に持った利剣に貫かれたので感服したと出づ。似た話があるもので、モニエル・ウィリヤムスの『仏教講義』に、インドの聖人若い時神像に供えた物を遠慮なく鼠が著腹するを見て、万能といわるる神が鼠を制し得ざるに疑いを懐き、ついに一派の宗旨を立てたとあった。羽後の七座山には勤鼠大明神の祠あり。これは昔七座の神に命ぜられて堤に穴を穿ち、湖を疏水した鼠で、猫を惧れて出なんだので七座の神が鼠を捕らねば蚤を除きやろうと約して猫を控えさせ、さて鼠族一夜の働きで成功した。因ってその辺の猫は今に蚤付かず。さてこの鼠神の祭日に出す鼠除けの守り札を貼れば鼠害なしという(『郷土研究』三巻四二八頁)。守り札で銭をせしめる代りに買った者を煩わさない、ちょうど博徒様の仕方だ。大黒に関係なしと見える。欧州でも、ゲルトルード尊者、ウルリク尊者、またスコットランドのストラス・レヴェン洞に住し、上人いずれも鼠を退治すといい、その旧住地と墓に鼠近付かず、その土および供物のパン能く鼠を殺すと信ず(一九〇五年板、ハズリットの『諸信念および民俗』