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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
線上閱讀鈴木 三重吉《古事記物語(こじきものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,723 字 · 191 頁
四
すると、ししはおそろしく怒り狂って、ううううとうなりながら飛びかかって来ました。それには、さすがの天皇もこわくおなりになって、おそばに立っていたはんのきへ、大急ぎでお逃げのぼりになり、それでもって、やっと危いところをお助かりになりました。
天皇はそのはんのきの上で、
「ああ、この木のおかげで命びろいをした。ありがたいありがたい」とおっしゃる意味を、お歌にお歌いになりました。
四
天皇はその後、また葛城山におのぼりになりました。そのときお供の人々は、みんな、赤いひものついた、青ずりのしょうぞくをいただいて着ておりました。
すると、向こうの山を、一人のりっぱな人がのぼって行くのがお目にとまりました。その人のお供の者たちも、やはりみんな、赤ひものついた、青ずりの着物を着ていまして、だれが見ても天皇のお行列と寸分も違いませんでした。
天皇はおどろいて、すぐに人をおつかわしになり、
「日本にはわしを除いて二人の天皇はいないはずだ。それだのに、わしと同じお供を従えて行くそちは、いったい何者だ」と、きびしくお問いつめになりました。すると向こうからも、そのおたずねと同じようなことを問いかえしました。