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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
ただ眼前に棚を解いたため、藤の花房が垂れて地に汚れている、という事実だけを捉えている。棚を外された藤などは慥に変った眺であり、そこにまた一種の趣も存する。
早梅や奥で機織長屋門 吏明
もうだんだん少くなってしまったが、それでも古い屋敷などで長屋門を存しているところが、東京にもいくつかある。門の両側が長屋になって、人の住むように出来ている、いかめしいといえばいかめしいが、現代の邸宅にはちょっと縁の遠い門である。
この句の早梅の花は、長屋門のどこに咲いているかわからない。門のほとりに咲いているとしないでも、長屋門のある屋敷の中なり、あるいは近所なり、とにかく背景的に存在すればいいのである。その長屋門の奥で機を織っている――目に見えるのでなしに、音が聞える方だろうと思うが、それがこの句の眼目になっている。早梅の花と、長屋門の奥に聞える機の音とが、季節的に或調和を得ていることはいうまでもない。
鶯やついと覗てついとゆく 白雪
鶯が庭先か何かにやって来て、ちょっと覗くようにしていたかと思うと、そのままついと行ってしまった。相手が鶯である以上、見つけた者はその啼くことを期待する。