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こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁

青空文庫

新年

昭和十八年八月十日

著者

新年

順序上新年の句を最初に置くことにする。今の新年は冬の中に介在しているが、昔の新年は春の中にあった。従ってその空気なり、背景なりには、大分今と異ったものがある。古人も俳書を編むに当り、あるいは歳旦を独立せしめ、あるいは春の部に混在せしめるという風で、必ずしも一様の扱方をしていない。広い意味で春に包含すると見れば差支ないようなものの、藤や山吹と前後して正月の句を説くのは、感じの上においてそぐわぬところがある。乃ちこれを独立地帯として、歳旦という特別な気分の下に生れた句を一括する所以である。

正月はどこまでわせた小松売    円解

「どこまでわせた」は、正月はどこまで来たか、といって小松売に尋ねる意であろう。正月というものに対して次第に無関心になりつつあるわれわれも、この句を読むといろいろなことを思い出す。

京伝の黄表紙に子供の唄として「正月がござつた。かんだまでござつた。ゆづりはにこしをかけて、ゆづり/\ござつた」というのが引いてある。泉鏡花氏の書いたものによると、「正月はどうこまで、からから山の下まで……」という童謡を「故郷の児らは皆師走に入って、半頃から吟ずる」