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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
万歳が袖を翻して舞う。折から翩々と散るたびら雪を蝶と見て、万歳の上にとまれといったのであろう。われわれの子供の時分の唱歌にも「蝶々蝶々、菜の葉にとまれ」というのがあったが、昔にも何かそういう唄がありそうな気がする。雪片そのものの形容を省いて、直に「蝶々とまれ」といってのけたところにこの句の特色がある。万歳の句として一風変ったものであろう。
母親や薺売子に見えがくれ 鼠弾
「はるの野をふご手にうけて行賤のたゞなとやらんものあはれ也とは慈鎮の言なり」という前書がついているが、この句を解する上に、それほど必要なものとも思われぬ。本によっては「薺売子に母親や見えがくれ」ともなっている。句としては「母親や」と真先に置くよりも、「薺売子に母親や」とした方がいいようであり、作者が後に改めたものかと思うが、句意の上には格別の相違はない。(売子はウリコでなしにウルコと読むのである)
子供が正月の薺売に出る。まだいとけない子であるか、あるいは今年はじめて売りに出るとかいうような場合で、子供は一人で大丈夫だといって出かけたが、母親は何となく心許なく思って、見え隠れにあとからついて行く、というのであろう。