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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
何かの煙草の中に種子がまじっていたのを蒔いて置いたら、煙草が生えて花が咲出したため、遂に見つかって罰金を取られた、という話を聞いたことがある。煙草花咲く妹が垣は、昔の夢とするより仕方がない。
秋寒し起て詠ル我まくら 諷竹
閨怨の句と見るべきであろうか。『閑吟集』に「逢ふ夜は君が手枕、来ぬ夜は己が袖枕、枕余りに床広し、寄れ枕こち寄れ枕、枕さへ疎むか」といい「科もない尺八を枕にかたりと投げあてても、さびしや独り寝」という類、いずれも同じ情趣を伝えているが、季節は別に現れていない。諷竹の句は情を抒することが多くない代りに、「秋寒し」の一語を以て、我と我枕を眺めている人の姿をまざまざと描き出している。俳句と他の詩との行き方の相違は、この両者を比較しただけでも、多少の消息を窺い得るであろう。
「詠ル」は「ナガムル」とよむのである。自分の枕を眺むる態度は、やがて自己を客観する態度とも解せられる。
年々のもたれ柱や星迎 白雪
縁側の柱などであろうか、七夕の夜二星を迎うる毎に、必ずその柱に靠れる習慣になっている。格別子細があるわけでもない、年々歳々同じ星祭の行事を繰返すうちに、自然そういう習慣を生じたのである。