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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
こういう連想の力を除去すれば、俳句はかなり索然たるものになりおわるに相違ない。
打はらふ袂の砂やつく/\し 源女
一見何人も婦人の句たることを肯定するであろう。女流俳句の妙味は常にこういう趣を発揮する点にある。
われわれは元禄のこの句に逢著する以前、明治の『春夏秋冬』において
裏がへす袂の土や土筆 秋竹
という句を読んでいた。頭に入った順序は全く逆であるが、この「裏がへす」の句は「打はらふ」の句を換骨奪胎したものとは思わない。むしろ作者も選者も元禄にこういう句のあることを、全然知らなかったのではないかという気がする。土筆を採って袂に入れて帰る場合、いくらも起り得べき事実であるだけに、二百年を隔てて殆ど同一地点に掘り当てるようなことになるのかも知れない。
しかし正直にいうと、かつて「裏がへす」の句を読んだ時には、別に女性的な句だとも感じなかった。そう考えるようになったのは、「打はらふ」の句を知った後である。われわれの鑑賞とか批評とかいうことも、存外種々な先入観念に支配されがちなものであるらしい。
春雨や桐の芽作る伐木口 本好
根もとから伐った桐の株に新な芽を吹いて来る。