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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
けれども老僧が接木をしながらの理窟である以上、先ず例の話と見て間違はなさそうである。ただその理窟を御尤とも何ともいわず、「理窟いはるゝ」とだけいったところに、多少のおかしみを生じているような気がする。
新井戸や春たつけふの釣瓶竿 釣眠
立春の日に古今の相違はない。違うのは暦の上の日だけである。けれども正月の初に春が立つのと、二月の初に春が立つのとでは、連想に著しい相違がある。この感じは畢竟新年と立春とが一致すると否とによって分れるのであろう。
尤も現在でも農村あたりでは一般に旧暦が用いられている。折衷的に一月おくれというところも少からずある。それも遠い地方ではない、先年大東京に編入された府下の某村などでも、役場とか、学校とか、工場とかいう文明的施設の場所では、勿論一月一日に新年を祝うけれども、農家の方は二月にならないと正月の行事をやらぬという話であった。つまり年賀状は一月、雑煮は二月というわけで、あるいは今の人の気には入らぬかも知れぬが、そこに日本らしい面白味があるように思う。由来統一論者の弊は、狭い範囲の主張を強いて一般に推及ぼそうとする点にある。