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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
そういう浅い川で足を洗う。桃の花はその川のほとりに咲いているらしい。桃の句というと、とかく平遠な農村の景色がつきもののようであるが、これは多少趣を異にする。
桃花の趣は梅より桜よりも明るい。そうして野趣がある。底の見える石川の流に日がさして、きらきら光るあたりに足を浸して洗うなどは、慥に桃と或調和を持っている。
あすの雨西にもちてやおぼろ月 林陰
空には朧な月がかかっている。明日は雨になるのであろうか、というのである。それを漠然と雨になるといわずに、「あすの雨西にもちてや」といったところに、この句の生命がある。「西が曇れば雨となる」という唄の文句の通り、西の空がどんより曇っては、明日の天気はおぼつかないのであろう。
梅が香や寝たる地のくぼみ 如行
農家の庭などの実景であろう。日向の土の窪んだところに、※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)が寝て砂を浴びている。あたりにある梅が馥郁たる香を放っている、というようなところらしい。
香ということにはあまり執著する必要はない。梅の咲いている日向に※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)が砂を浴びている、しずかな光景が浮べばいいのである。