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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

「雨で客足がのうていけませぬな。あの笠は?」

「あれは、あの……」

「おうちのものか」

「いいえ、あの、闇男屋敷の七造さまがお掛けになっていったものでござります」

「なにッ、不思議なことをいうたが、今のその闇男屋敷とやらはなんのことじゃ!」

「ま! だんなさまとしたことが、向島へお越しになって闇男屋敷のおうわさ、ご存じないとは笑われまするよ。ここからは土手を一本道の小梅へ下ったお賄い長屋に、市崎友次郎さまとおっしゃるお旗本がござりまするが、そのお組屋敷のことでござります」

「なぜそのような名がついたのじゃ」

「それが気味のわるい。なんでも人のうわさによりますとな、ご主人の友次郎というは、お直参はお直参でも二百石になるかならずのご小身で、お城の賄い方にお勤めとやら聞いておりましたが、ついこのひと月ほどまえから、まだ二十五、六のお若い身そらでござりますのに、奇妙な病に取りつかれまして、なんでも昼日中お出歩きなさりまするとそのご病気が――」

「決まって出ると申すか」

「そうなんでござります。お年も若くて、まだおひとり身で、このあたりまでもひびいたご美男のお殿さまでござりますのに、どうしたということやら、日のめにお会いあそばすと、にわかにからだが震えだすのじゃそうでござります。