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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

「そいつがあいにく、怪しいやつらたア気がつかなんだものだからね、なに一つ見覚えがねえんですよ」

「風体はどうだ!」

「それもうっかりしていて気がつかなかったんですよ」

「せめて年ごろにでも覚えはないか」

「それさえさっぱり覚えがねえんです。なんしろ、月はまだあがらず、薄暗いところへもってきて、向こうははじめっからそのつもりだったか、顔を隠していやがったんでね。気のついたこたアなんにもねえですよ」

名人の手は、知らぬまにあごをなではじめました。ぞうさなく開けかけたかと思った道は、突如として深い霧の中へ隠れてしまったのです。にらんだとおり、土左舟を借りに来たその者たちが、あの五人を運んだにちがいない。おそらく、はしごでもいっしょに積んでいって、あの枝にかけたことは疑いない。

しかし、わかったことはただそれだけなのです。どこから死体を運んできたか、どういう素姓のものか、不審なその男たちが殺した下手人であるかどうか、だれかに頼まれて運んだものか、肝心かなめの詮議のつるは、まったく霧の中へ隠されてしまって、さらにつかみようがないのです。

「ちとこいつ難物だな」

「ね……!」