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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
右門捕物帖
1
その第三十六番てがらです。
事の起きたのは正月中旬、えりにえってまたやぶ入りの十五日でした。
「えへへ……話せるね、まったく。一月万歳、雪やこんこん、ちくしょうめ、降りやがるなと思ったら、きょうにかぎってこのとおりのぽかぽか天気なんだからね。さあ行きましょ、だんな、出かけますよ」
天下、この日を喜ばぬ者はない。したがって、伝六がおびただしくはめをはずしてやって来たとて、不思議はないのです。
「腹がたつね。こたつはなんです? そのこたつは! 行くんだ、行くんだ。出かけるんですよ」
「お寺参りかえ」
「ああいうことをいうんだからな。正月そうそう縁起でもねえ。きょうはいったいなんの日だと思っているんですかよ。やぶいりじゃねえですか。世間が遊ぶときゃ人並みに遊ばねえと、顔がたたねえんだ。行くんですよ! 浅草へ!」
「へへえ。おまえがな。年じゅうやぶいりをしているようだが、きょうはおまえ、よそ行きのやぶいりかえ」
「おこりますぜ、からかうと! ――ええ、ええ、そうですとも! どうせそうでしょうよ。なにかというと、だんなはそういうふうに薄情にできているんですからね。