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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

たしかにまだこのうちにいるんですよ」

聞くや、名人がにやりと笑いました。

「な、な、なにがおかしいんです! 笑いごっちゃねえんですよ。こっちゃひと晩寝もせずに腰骨を痛くして張り番していたんだ。あっしのどこがおかしいんですかよ」

「そろいもそろってまぬけの穴があいているから、おかしいんだ。百年あき屋の前で立ちん棒したって、雌ねこ一匹出てきやしねえよ」

「バカいいなさんな。男と女とふたりで、たしかに話をやったんだ。この耳でちゃんとその話し声を聞いたんですよ。この目で男は出てきたところをたしかに見たが、逃げこんだお高祖頭巾の女は、半匹だって出てきたところを見ねえんだからね。溶けてなくなったら格別、でなきゃたしかにいるんですよ」

「しようのねえやつだな。八人芸だってある世の中じゃねえか。ひとりで男と女のつくり声ぐれえ、だれだってできらあ。年のころは二十七、八、いい男が出てきたといったそいつが逃げこんだ女なんだ。大手ふりながら目の前を逃げられて、なにをぼんやりしていたんだい。論より証拠、中はから屋敷にちげえねえから、あけてみなよ」

案の定、戸をあけると同時に、ぷうんと鼻を刺したのは、屋のうちいちめんに漂うかびのにおいです。