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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

「なにッ。弟子がやるか! その栄五郎とやらは、いくつぐらいだ」

「二十八でござります」

「女は好きか!」

「さよう、きらいなほうじゃござんすまいね。ちょくちょく呼び出し状が舞い込んできたり、よる夜中、こっそり女が表へ会いに来たりしますからね。まず人並みに好きでしょうよ」

「姿が見えぬようだが、どこへ行った!」

「それが少しおかしんですよ。一昨晩、さよう、たしかにおとついの夕がたでござんした。だれからのものか、いつものような呼び出し状が届きましてね、こそこそと出ていった様子でしたが、一刻ほどたってから、何がうれしいのか、にやにややって帰ってくると、そのままおおはしゃぎで念入りにおめかしをしてから、ふらりとまたどこかへ出ていったきり、いまだに帰ってこないんですよ」

きらりと名人の目が鋭く光りました。つるにつるが新しくはえてきたのです。

「居間はどこだ」

「下でござります」

「案内しろ」

玄関わきの六畳へはいっていくと同時に、名人の目は、はしなくもその小机の上に止まりました。不思議やな、小机の上には幾本かの扇子が束になって置かれてあるのです。筆もある。絵の具ざらもある。