輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

その中の位牌の上に、きょとんと止まって、きょときょとと首を振っているのです。

ちらりと見ながめると同時に、右門の目がぴかりと鋭く光りました。

位牌がまたすばらしく大きく、すばらしくりっぱなのです。ばかりか、その表に刻まれてある戒名が、穏やかならぬ戒名でした。

「貫心院釈名剣信士――」

という字が見えるのです。院号、信士はとにかくとして、釈名剣と、剣の一字の交じっているのは、あきらかに町人ではない。

「武士だな!」

「…………」

「おやじか。お駒! それとも兄か!」

「…………」

「だれだ、この位牌の主は! いずれにしても、おまえの身寄りだろう! 身分もたしかに武士だろう! 伝六をあしらった今の手の内、昼間お白州で、この右門のつぶてをみごとにかわした身のこなし、ただのやまがら使いじゃあるめえ。強情を張っているおまえのつらだましいからしてが、たしかに武家育ち、槍ひと筋のにおいがするんだ。武士だろう! 親だろう! それとも兄か! 亭主か!」

鋭くたたみ込んだのに、しかしお駒は気味わるく押し黙ったままでした。うっすらと、小バカにしたように笑いながら、ものうげにまた、ゆらり、ゆらりとむちを動かして、位牌の上のやまがらを招きよせました。