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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

裏口から早く逃げい」

「参ります! 参ります……! では、ごきげんよう……」

「まてッ。だいじな品を忘れてはならぬ。置き去りにしたら、お兄君がしかりましょう。お位牌を持っていけ」

「ほんにそうでござりました。抱かせていただきまする。――おあにいさま、霊あらばご覧なさりませよ。お聞きあそばしませよ。では、では必ず捜して、必ず討って、必ずかえってまいりまする。くれぐれもごきげんよろしゅう……」

しっかと兄の位牌をその乳ぶさの上に抱いて、あわれに暗い夜ふけの町へ、ふりかえり、ふりかえり、お駒の姿は遠のきました。その姿の行くえを、影のあとを追うように、飼いならしていたやまがらが、ばたばたと悲しげに羽ばたきをつづけて、あわれにも悲しい声をあげながら、ちーちーと鳴きたてました。

あちらへまごまご、こちらへまごまごしながら、伝六が泣きなき鳥の影のあとを追っているのです。

「めそめそ泣いて、なにをやっているんだ」

「鳥がかわいそうです。せめてあっしもなにか功徳をと思って、追いかけているんですよ。――来い。来い。このおじさんだって、大きになさけはあるんだ。帰るまで飼ってあげるよ。