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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
「おめえの一つ芸だ。はええところ血がめのありかを捜してきなよ」
「…………?」
「なにをまごまごしてるんだ。内庭か、外庭か、どっちにしても外科べやの近所の庭先にちげえねえ。あり場所さえわかりゃ、おいらがちょいとおまじないするんだ。大急ぎで捜してこなくちゃ、夜が明けるじゃねえかよ」
ひねりひねり、横路地のくぐり木戸からはいっていくと、中べいを乗り越えてでもいるとみえて、しばらくがさがさという音がつづいていたが、ぽっかりとまた顔をのぞかせると、息をころしながら名人のそでを引きました。
伝六一つ芸の名に恥じず、中べいを乗り越えていってみると、案の定、内庭と外庭との境になっている外科べやの小窓下に、ねらいをつけたその血がめがあるのです。ふたをあけてみると、中はぐっちゃり……なまぐさい異臭がぷうんと鼻を刺しました。
「このどろりとしたやつをちょっぴり棒切れにでもつけていきゃ、床の間にだって、天井にだって、自由自在に血が降らあ。では、ひとつ右門流のえびでたいをつろうよ。そっちへどきな」
今のさき求めてきた用意の生うるしを筆にしめすと、何を思ったか、血がめのそのふたのつまみ柄のまわりへ、ぺたぺたとぬりつけました。