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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
線上閱讀野村 あらえびす《名曲決定盤(めいきょくけっていばん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,837 字 · 680 頁
本当の意味で管弦楽を指揮したと言い得る人は、十九世紀ではヴァーグナーとハンス・フォン・ビューロー、及びビューローの後継者ニキシュであろう。
わけてもニキシュは、指揮は即ち一つの芸術であるという立派な建前で、しかもそれを実際に証拠立てたのであった。ニキシュの指揮は決して原曲通りの演奏ではなくて、極めてロマンティックに、訴える力を強調したものであった。そのニキシュが、伯林フィルハーモニーの主席指揮者として二十世紀初頭を飾ったが、ニキシュの歿後、その後を襲ったのは、かつてウィーンの指揮者たりし若冠三十幾歳かのフルトヴェングラーで、それは、一九二二年のことである。
名にし負う伯林フィルハーモニーを、僅か四十歳にも満たぬフルトヴェングラーが指揮するということには、多少の危惧の念を持たれなくはなかったが、しかし結局それは杞憂におわり、間もなく彼が指揮壇上の飛将軍として、ドイツにおいてのみならず世界に雄飛する時が来たのである。
今から十三、四年前、私どもはフルトヴェングラーの威容について、新帰朝者の口から盛んに語り聞かされたことであった。しかしフルトヴェングラーがレコードに入れ始めたのは、比較的遅かった。