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そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁

青空文庫

車を勧めに来た車夫のもの言いが皆目判らなかった。碧梧桐君の親戚の陸軍大尉(?)宇和川氏の家にともかく一応落着いて、二人は素人下宿を探しに出た。そうして新町四十七番地鈴木芳吉という湯屋の裏座敷を借りて其処に二人は机を並べ行李を解いた。其処に年とった上さんと若い上さんと二人あったが、二人共早口でその話すことが暫くの間全く通じなかった。この銭湯の主人公の姓名を今なお不思議に記憶しているのも、スンマツスツジウスツバンツスズキヨスキツとそのお上さんたちが言った言葉をその後になって口癖のように面白がって繰返していたからである。

学校は町外れにあったかと思うが、余はこの学校では講堂と教室と下駄箱と器械体操の棚だけを記憶して居る。転学後間もなく我らは講堂に召集されて吉村校長からデグニチーという事を繰り返して説法された。この説法がひどく余の気に入らなかった。三高では折田校長が声を顫わせて勅語を朗読さるる位の外あまり顔も出さず、小言も言われなかったが、それでも一高に比べると校風がどことなくこせついているというような不平が一般の口から洩れていた。ところが二高に来て見ると、これはまた京都以上に細々した事が喧しかった。