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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁
その時も、
「どこが面白いのです。」というような質問を氏は出した。私は、
「あのおいらんが二、三人も並んでいる華やかな光景がいいのです。たまにああいう刺戟を受けに来るのです。」と答えた。それには氏も首肯したようであった。氏は壮士芝居を見て居っても、
「何故あの役者はあんなに不自然な大きな声をして呶鳴るのか。」といったり、
「何故あんなにだだっ広い部屋にしたのか、何故あすこの壁があんな厭な色をして居るのか。」などといったりした。まして筋を運ぶ上の不自然な点などは非常にその気持を悪がらせた。歌舞伎の方は内容の愚劣なことは同じであっても、形の上の或る発達した美しさだけに多少の興味を見出し得たようであった。
中で最も氏をよろこばせたのは能楽であった。
「能は退屈だけれども面白いものだ。」といって氏は能を見ることは決して拒まなかった。かくして私は比較的多く能を見に誘い出した。それで細君との約束を果すことが出来た。
その頃私は連句を研究していて「連句論」を『ホトトギス』に載せた。明治三十七年の九月に漱石氏を訪問して見ると席上に四方太君も居った。話が連句論になった時に、鳴雪翁や碧梧桐君の連句反対論に対して氏は案外にも連句賛成論者であった。