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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁

青空文庫

中村警部をはじめ西洋館にはいった警官と少年たちは、みんなそこへおりてきました。そして、サーチライトにてらされた鉄人Qの残がいをのぞきこみました。

こんな歯車でできた鉄の人間が、あんなに、自由自在に動いたかと思うとふしぎでなりません。

「ねえ、中村さん、五重の塔にのぼったり、お札や宝石などをぬすんだやつは、鉄人Qと、そっくりにばけた、もうひとりのやつのしわざじゃないでしょうか。ポケット小僧は、そっくり同じ鉄人Qが、ふたりいたといっています。ひとりの方は、ロボットのように、じっとしていたが、もうひとりのやつは、自由にしゃべったり動いたりしたというのです。」

小林少年が、中村警部とならんで、こわれた鉄人Qを見おろしながら、そんなことをいいました。

「うん、ぼくも、はじめから、あやしいと思っていた。鉄の人造人間が、あんなに動いたり、しゃべったり、できるはずがない。この鉄人は、手品のたねで、ほんとうは、べつの人間が鉄のお面をかぶって、鉄人にばけていたのだ。さいしょ、じいさんのうちを逃げだしたときから、そうだったのだ。あれはロボットにばけた人間だったのだ。」

中村警部も、小林少年と同じ考えでした。