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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁

青空文庫

ふたりの一郎青年

ひらいて、はいってきたのです。」

小林君は、てみじかに説明しました。小林少年がスミ子ちゃんの話をきいて、ちょっと外へ出ていったことは、前にかいておきました。そのとき小林君は、この時計やしきへやってきたのです。

それから、ふたりは、ささやき声で、しばらくなにか相談をしていましたが、それがすむと小林少年は、

「それじゃ、まちがいなくおねがいします。ぼくはこれから、まだ一つ、やっておくことがあるのです。それをすませて、すぐに帰ります。」

「よろしい。ぼくも、いまうちあわせたとおりにやるよ。きみのおかげでたすかった。きみは、やっぱり名探偵だよ。ありがとう。」

一郎さんは、小林君がたちさるのを見おくってから、そこへおちていた四十面相の服を、着はじめるのでした。

ふたりの一郎青年

こちらは淡谷さんの書斎です。いま置時計が十時をうちました。四十面相が、宝石ばこをぬすみ出してみせると予告した時間です。

その書斎には、主人の淡谷さんと、一郎青年(これがにせものであることは、読者諸君はごぞんじです。しかし、淡谷さんは、まだすこしも気づいていないのです。)と、小林少年の三人が、テーブルのまわりにこしかけて、壁にはめこみになっている金庫を、にらみつけていました。